許斐権現(読み)このみごんげん

日本歴史地名大系 「許斐権現」の解説

許斐権現
このみごんげん

[現在地名]宗像市王丸

許斐山(二七一メートル)の山頂付近、王丸おうまる側に鎮座する。明治初年に熊野三所の神を祀るところから熊野神社と改称された。現祭神は事解男命・速玉男命・伊弉冊命・宗像三女神・織幡神。旧郷社。承元三年(一二〇九)七月二八日の将軍家政所下文案(宗像大社所蔵文書/鎌倉遺文三)に「許斐神主氏主」がみえる。氏主による僧行西の内殿うちどの(現福間町)半分地頭職への妨げに関するものである。「訂正宗像大宮司系譜」では氏主・行西は前大宮司宗像氏家の子息としている。文永九年(一二七二)九月三日の宗像大神宮神官・僧官・御灯衆等連署起請文(宗像大社所蔵文書/鎌倉遺文一五)には末尾の神罰部分に「日本国土本主天照(大)神・同御子宗像三所(大)神宮・織幡大明神・許斐権現」とあるように、許斐権現と織幡おりはた大明神は宗像三所大神宮(辺津宮の第一宮・第二宮・第三宮)とともに記載されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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