出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報
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[宋・元]
11世紀前半,北宋中期のある文献では,一つの県で土地を所有している家は3000戸,その約3分の1の1000戸が地主の家であった。読書人として儒教的教養を修得し,科挙試験に応ずるのは多くの場合この地主の子弟であったが,合格して高官となる者を出し,官戸(かんこ),形勢戸(けいせいこ)と呼ばれる家は100戸から200戸,あるいはそれ以上であったという。本来地主の家は社会秩序のかなめとして国家から重視されていたが,同時に地方官府とその財政を支えるための多額の金銭的支出をともなう労役,すなわち徭役(ようえき)を国家から賦課されていた(役法)。…
…もし現代中国における旧中国との連続・非連続を論ずるなら,官僚制,官僚主義こそ連続の最も顕著な例であろう。ところでこの官僚は,同時に非連続的な面ももっているのであって,それはすなわち,旧中国の官僚が科挙試験を通過した士大夫=読書人よりなっていたという点である。ここに一つのきわめて特徴的なエピソード,《紅楼夢》と並ぶ清朝の代表的小説《儒林外史》第8回に見えるエピソード,を紹介しておきたい。…
※「読書人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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