謗・譏・誹(読み)そしる

精選版 日本国語大辞典 「謗・譏・誹」の意味・読み・例文・類語

そし・る【謗・譏・誹】

〘他ラ五(四)〙
他人のことを悪く言う。非難して言う。けなす。
※西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)二「無知にして正法を謗(ソシリ)
※竹取(9C末‐10C初)「親君と申すとも、かくつきなき事を仰せ給ふ事と、事ゆかぬ物ゆゑ大納言をそしりあひたり」
不平を言う。ぶつぶつ文句を言う。〔日葡辞書(1603‐04)〕
③ 正面きって悪口を言わないで、かげでこそこそ悪口を言う。かげぐちをきく。特に京阪神地方で近世以降用いる。〔浪花聞書(1819頃)〕
④ ばかにする。あなどって言う。非難する気持にけいべつする気持が強く加わって言う意に用いる。明治以降に多く見られる。
西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉一〇「嘗てその賤工より起りしを刺(ソシ)りければ」

そしり【謗・譏・誹】

〘名〙 (動詞「そしる(謗)」の連用形名詞化)
① そしること。他人の悪口を言ったり、非難したりすること。また、そのことば誹謗(ひぼう)
※東大寺諷誦文平安初期点(830頃)「万の誚(ソシり)は引きて自(おのれ)に向く」
源氏(1001‐14頃)梅枝「いささかの事のあやまりもあらば、軽々しきそしりをや負はむとつつみしだに」
② 議すること。論議すること。
※大唐西域記長寛元年点(1163)三「心に陪遊を願ふに、事物の議(ソシリ)に拘(かかは)れたり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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