謡初(読み)うたいぞめ

精選版 日本国語大辞典 「謡初」の意味・読み・例文・類語

うたい‐ぞめ うたひ‥【謡初】

〘名〙 新年に、武家の殿中で能役者を招いて謡曲のうたいはじめをする儀式。《季・新年》
※雑事覚悟事(1489頃か)「正月四日〈略〉観世も今日うたひそめ申て、御服被下之也」
[語誌]南北朝頃から起こった松囃子(まつばやし)と称する士民の間ではやった舞踊の流れをひくもので、正月の祝儀として唱門師(しょうもんし)の間に伝えられたものを室町時代観世太夫が行なうようになった。これを、徳川幕府が正式の正月行事とし、正月二日(ただし承応三年(一六五四)からは三日)に行なった。民間のそれは、弟子が師家に参集して行なうのが普通であった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android