谷瀬村(読み)たにぜむら

日本歴史地名大系 「谷瀬村」の解説

谷瀬村
たにぜむら

[現在地名]十津川村大字谷瀬たにせ

十津川筋、うえ村の上流に立地。十津川郷のうち。寛永郷帳に初めて村名がみえ、村高は一二八・二四九石、幕府領元禄郷帳では村高八七・五石。安政四年(一八五七)の産物取調帳(十津川宝蔵文書)に杉角尺〆二五本、檜角尺〆五本、椴栂松尺〆五〇本、煙草三〇〇貫目、割菜五六貫目、茶一〇〇貫目、楮一六貫目、椶櫚皮五千枚、当帰五〇斤とみえる。

嘉永六年(一八五三)の合薬製方取締書(十津川宝蔵文書)に「十津川郷之儀者従往古御由緒有之場所柄ニ付、郷中所持之鉄砲四百六拾五挺御座候処、今般異国船防禦御手当方御厳重之上ハ、何時ニ而も罷出御用相勤可申覚悟ニ罷有候、依之以来郷中入用手当硝石合薬郷内ニ而製度、惣代を以御伺奉申上候所、製法場所御尋ニ付、場所不申上候而ハ御役所表御聞済無之ニ付、則谷瀬村、風屋村、野尻村ト申上候」とあり、幕末、十津川郷では鉄砲用の硝石合薬の製造を谷瀬村・風屋かぜや村・野尻のじり村などで行っていたことがわかる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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