十津川村(読み)とつかわむら

日本歴史地名大系 「十津川村」の解説

十津川村
とつかわむら

面積:六六九・七七平方キロ

郡の南西端部を占める。全国一の広域村で奈良盆地の二倍以上の面積をもつが、人口密度は一平方キロ当り一〇・五五人と低い。村域は大峰山脈の西斜面から十津川渓谷を挟んで伯母子おばこ山脈に及ぶ。北は野迫川のせがわ大塔おおとう両村に、東は上北山村の一部と下北山村に接し、東南から南・西の一帯は和歌山県と境する。野迫川村境に伯母子岳(一三四四メートル)、大塔村境に下辻しもつじ(一三〇五・九メートル)、上北山村境に仏生ぶつしようヶ岳(一八〇四・七メートル)、下北山村境に孔雀くじやく(一七七九メートル)釈迦しやかヶ岳(一七九九・六メートル)天狗てんぐ(一五三六・八メートル)地蔵じぞう(一四五五メートル)涅槃ねはん(一三七五・九メートル)行仙ぎようせん(一二二六・九メートル)笠捨かさすて(一三五二・三メートル)茶臼ちやうす(一一八〇・七メートル、和歌山県境ともなる)、南境の大峰山脈南端付近に甲森かぶともり(九八六・八メートル)大平多おおひらた(九九九メートル)大森おおもり(一〇四四・九メートル)があり、伯母子山脈側には果無はてなし山脈が東西に連なる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「十津川村」の意味・わかりやすい解説

十津川〔村〕
とつかわ

奈良県南端にある村。十津川の中・下流域を占め広大な面積をもつ。村域の大部分山林で林業が主。かつては秘境であったが吉野熊野特定地域総合開発の一環として大規模な風屋ダム,二津野ダムが建設され,国道 168号線,425号線も開通。電源開発,観光開発が進んでいる。木材のほかシイタケ,ワサビを特産。南部玉置神社湯泉地温泉十津川温泉がある。特別名勝,天然記念物に指定されている瀞八丁は有名。「十津川の大踊」は重要無形民俗文化財。村域の一部は高野龍神国定公園に属する。面積 672.38km2。人口 3061(2020)。

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事典 日本の地域遺産 「十津川村」の解説

十津川村

(奈良県吉野郡十津川村)
日本で最も美しい村」指定の地域遺産。
十津川村は、和歌山・三重両県に接する奈良県最南端に位置する。面積は672.35k【m2】で、96%を山林が占める。急峻な地形から半ば独立した村落共同体として、日本の三大秘境の1つといわれていた。湯泉地温泉、十津川温泉、上湯温泉の3つの温泉が湧出しており十津川温泉郷として知られる。世界遺産となった「熊野参詣道小辺路」「大峯奥駈道」や「日本の滝百選」に選ばれた笹の滝など史跡名勝も多い

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