豆満江開発(読み)トゥマンこうかいはつ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「豆満江開発」の意味・わかりやすい解説

豆満江開発
トゥマンこうかいはつ

国連開発計画 UNDPにより推進されている中国,ロシア,北朝鮮3国国境の豆満江 (→トゥマン江 ) 流域の開発計画。北朝鮮では 1991年 12月,豆満江に近い咸鏡北道の羅津・先鋒地区に外国人の投資に対し租税減免などの優遇措置をとる「自由経済貿易地帯」を設置し,両地域に隣接する清津を「自由貿易港」とした。この背景としては,84年の合弁法制定以外の成果が思わしくないこと,指定地域が平壌から離れていて政治的影響が相対的に少いと思われること,UNDPの協力が得られることなどが指摘できる。さらに法律面では,92年「外人投資法」など経済開放関係の3法,93年「自由貿易地帯法」「土地賃貸法」「外国投資銀行法」などを採択。豆満江開発は,日本海側に出口を求めていた中国がかねてより強い関心を持っていたもので,豆満江岸の防川の開発と北朝鮮の開発構想が重なり,豆満江を中心とした両国の開発が考えられていたが,中国が琿春よりザルビノへ鉄道を延長し,ザルビノ港から物資を直接出す方向に計画を推進しはじめたため,大きく変質していく可能性もある。

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