朝鮮民主主義人民共和国北東部にある咸鏡北道の都市。冬季も砕氷船を必要としない天然の良港,羅津港を有する。1932年に咸鏡線(元山~会寧)がようやく到達したが,鉄道交通上最僻地にあたり零細な漁村にとどまった。1965年に清羅線の完成により清津と直結し,交通の要衝として都市化が進み,67年市に昇格。東海岸に不凍港を持たないソ連が,1970年代末以来軍港として利用するようになったとされ,世界の注目を集めた。1991年に豆満江開発計画の一環として,北隣の先鋒郡とともに〈自由経済貿易地帯〉という名の経済特区が設置され,開放戦略の拠点として開発されている。93年に両地区は合併して羅津・先鋒直轄市となった(2000年に羅先市と改称)。
執筆者:谷浦 孝雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
北朝鮮、咸鏡(かんきょう)北道東部にある港市。朝鮮最北部の港で、三面が山に囲まれた羅津湾に位置している。港は大草島、小草島が湾口を狭めて防波堤となり、天然の良港となっている。近海はタラ、明太(メンタイ)(スケトウダラ)、サバなどの豊かな漁場で、近海漁業の根拠地であり、沿岸航路の寄港地でもある。羅津はもとは漁村にすぎなかったが、日本の植民統治下に、大陸進攻の最短距離の地として築港された。1932年吉会線の終点港ともなり、人口30万余の港湾都市となった。元羅線の最終駅として陸海交通の要所で、雄基との間は国内最長の雄羅トンネル(3850メートル)で結ばれている。1965年清津(せいしん)との間に鉄道が開通している。
[魚 塘]
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