日本大百科全書(ニッポニカ) 「豊年祭」の意味・わかりやすい解説
豊年祭
ほうねんまつり
農作物の豊作を祝う祭り。この名の祭りは二通りあり、普通は秋の収穫祭のことと解されるが、同じ名称で春の予祝祭をよんでいる例がある。名古屋市の熱田(あつた)神宮では5月8日に豊年祭が行われる。「おためし」または「花(はな)の撓(とう)」といわれ、五穀豊作を祈るという。同じく愛知県小牧市の田県(たがた)神社と犬山市の大縣(おおあがた)神社内姫の宮が3月15日に豊年祭を行っている。前者の祭りは巨大な陽物を、後者は女陰を祭る性的神事としてよく知られている。秋の豊年祭の変わった一例として山口県蓋井(ふたおい)島の9月29日の豊年祭がある。ここは漁村であるが「山ノ神神事」を行い、豊漁を祝するという。
[大藤時彦]
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