豊日神社(読み)とよひじんじや

日本歴史地名大系 「豊日神社」の解説

豊日神社
とよひじんじや

[現在地名]天理市豊井町

豊井とよい町集落の東方山麓に鎮座祭神は菅原道真・大山祇おおやまつみ命。「三代実録」貞観五年(八六三)一〇月六日条に「大和国正六位上豊日神授従五位下」とある豊日神とされる(「大和志」「神社覈録」「大和志料」など)。「山辺郡誌」には「古老ノ伝ニ云ク、又天神ト称シ、或ハ火雷天神ト称シ、社ヲ天満宮トモ云フ、而シテ社地ノ夕日朝日共ニ良キ処ナルヲ以テ、神社ヲ豊日ト申シ、天神ヲ祭ルガ故ニ地名ヲ天満口ト云フ、其村ヲ豊日村ト唱ヘシモ何時ノ頃ヨリカ豊日ヲ豊井ト誤リシナラント」とある。これによると、当初は火雷神を祀っていたが、火雷からい天神と称して菅原道真が祭神となったと思われる。一に豊日は豊火で、「高橋氏文」に豊日連が忌火を鑽って御食をつかさどったことがみえるので、本拠地にその祖神である火雷神を祀ったものとする説もある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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