改訂新版 世界大百科事典 「神社覈録」の意味・わかりやすい解説
神社覈録 (じんじゃかくろく)
江戸末期より明治初年に活躍した神道学者鈴鹿連胤(すずかつらたね)の著。75巻。連胤は1795年(寛政7)京都吉田の生れ,家は代々吉田神社の社家,皇国学を山田以文に学び,吉田社権祝となり,また吉田家に仕えた。1824年(文政7)吉田家を致仕,それより本書の作成にかかり,1870年(明治3)完成,その翌年没した。本書は《延喜式》巻九,十のいわゆる神名(じんみよう)帳所載の神社につき,その読み方,祭神,所在地,鎮座年月,神位,神階,神宝,社職等を諸書にひろく当たって考証,併せて式外の神社にも当たり,あと和泉,尾張,三河など13国の諸国神名帳についても考証している。式内社研究上の重要書。1902年井上頼圀,佐伯有義校訂で刊行。
執筆者:鎌田 純一
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報