豊沢牧(読み)とよさわまき

日本歴史地名大系 「豊沢牧」の解説

豊沢牧
とよさわまき

現在の伊達市南東部、伊達市街と室蘭市との境のチマイベツ川までの地に存在した牧。一八〇五年(文化二年)頃に富川とみかわ牧・岡山おかやま牧・平野ひらの牧とともに成立(豊浦町の→富川牧。豊沢牧はウス領モンベツからチマイベツまでのおよそ一四キロとされる(新北海道史)。「東蝦夷地場所大概書」は小砂留別おさるべつについて「牧三ケ所 岡山牧・平野牧・豊沢牧」「此処豊沢牧(中略)御放の馬年中秣 呑水とも差支なし」と記し、モンべつについては「当所よりチマイベツ迄三里拾丁牧場外也」「一 牧場木戸番蝦夷家 壱軒 此人数三人 内男弐人・女壱人、一 休所 壱ケ所 但萱家、此処豊沢牧入口にて、木戸番蝦夷人住置、其外通行御役人昼休所有之、通行の時々会所より番人差出し」と記され、牧場経営にはアイヌも採用され、通行者のため昼休所も設置されていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、和歌山県串本町の民間発射場「スペースポート紀伊」から打ち上げる。同社は契約から打ち上げまでの期間で世界最短を目指すとし、将来的には...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android