富川牧(読み)とみかわまき

日本歴史地名大系 「富川牧」の解説

富川牧
とみかわまき

現在の豊浦町東部から虻田あぶた町の市街地にかけて存在した牧。箱館奉行戸川安論は馬術好み、一八〇三年(享和三年)箱館に赴任すると、さっそく蝦夷地産馬に試乗、良馬が多かったので、その繁殖を図るため牧場開設を思い立った。アブタ在住の福井政之助に尋ね、ウスヲサルベツ(現伊達市)原野が最も牧場に適していることを知った。〇四年(文化元年)戸川は江戸に帰るにあたって蝦夷地の産馬三頭を連れ帰り、将軍の上覧に供し、アブタ、ウスに牧場を開くことを許可された。まず馬術に長じていた原新助(八王子千人同心千人頭原半左衛門の弟でユウフツ在勤)を牧場支配取調役に、福井政之助(千馬之助)を取調下役に、江間彦八郎を牧士触頭に任じ、村田卯五郎を牧士頭取、柏木元助・田畑小太郎・寺田佐野助・戸沢儀七を牧士に採用し、牧場の設置を急がせた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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