日本歴史地名大系 「豊見瀬御嶽」の解説 豊見瀬御嶽とうみしうたき 沖縄県:沖縄島南部豊見城市豊見城村豊見瀬御嶽[現在地名]豊見城市豊見城豊見城(とみぐすく)グスク内にある御嶽で豊見城ノロの管轄。トゥミシウタキとよぶ。「琉球国由来記」には「城内豊見瀬嶽 神名 コハナリノ御イベ」とみえ、毎年五月四日の爬竜船のときに「那覇・久米村・泊、爬竜船三艘、豊見城へ参」とある。「球陽」察度王四五年(一三九四)条には「爬竜舟三隻、必ず豊見瀬威部前に至り、豊見城祝女恭しく祭品を備へて」(以上、原漢文)とみえる。舟をグスクの御嶽の前まで運んだと読めなくもないが、当時は現在の国場(こくば)川で爬竜船が行われており、豊見城グスクに向けて競漕したという意味かもしれない。由来記によれば爬竜船を漕ぐ人たちもツヤ(「球陽」では津屋)という所からこの御嶽に向かって拝んだという。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報