出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
古代,中世において,荘園または港湾に設けられた倉庫のこと。《和名抄》は《弁色立成》という辞書に〈邸家〉とあるのを引用して,これに〈俗に津屋と云う〉と注している。〈邸〉は中国では元来倉庫の意で,旅宿を意味する場合もある。〈邸店〉と称する場合もあり,店は商店または倉庫を意味する。〈邸閣〉の語もあり,その古訓は〈ヤ〉で,同じく倉庫を意味する。《弁色立成》は〈邸家〉を説明して,他人の貨物を停蔵し,もしくは他人に代わってこれを沽却して賃銭を取る所,すなわち倉庫業者が問屋を兼ねる場合を指すという。《参天台五台山記》は,杭州の海岸に倉庫の立ち並ぶさまを記して,津屋はみな瓦葺きであるとしている。《延喜式》では倉庫料を屋賃と称するが,この〈屋〉は倉庫すなわち津屋にほかならない。日本の中世の〈問(とい)〉の語源は〈邸〉にあるとの学説もあるが定かではない。
執筆者:阿部 猛
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