日本歴史地名大系 「豊見城市」の解説 豊見城市とみぐすくし 沖縄県:沖縄島南部豊見城市面積:一八・五八平方キロ(境界未定)沖縄島南部の西側に位置する。北は那覇市、東は南風原(はえばる)町・東風平(こちんだ)町、南は糸満市と接する。西は東シナ海に面し、慶良間(けらま)海峡を挟んで慶良間列島を望む。地形は長嶺(ながんみ)グスク(標高九七・五メートル)のある東側の丘陵と平良(てーら)グスク(標高一〇八・九メートル)の位置する丘陵の間を、大里(おおざと)村に源を発し東風平町を経て当市に至り、南東から北に流れ漫(まん)湖に注ぐ饒波(のは)川(一四・一キロの二級河川。近世はヌファ)が分断する。西側には沖積層の海岸平野部が広がる。地質は第三紀島尻層群の泥灰岩土壌(ジャーガル)と砂岩土壌を主体に、海岸部の沖積土壌からなる。丘陵の頂部には琉球石灰岩が乗る。河川は饒波川以外に南風原町との境をなす長堂(ながどう)川があり、国場(こくば)川(一〇・三キロの二級河川)に合流する。保栄茂(びん)グスクの北から渡橋名(とはしな)・座安(ざやす)を流れる小河川の保栄茂(びん)川が東シナ海に注ぐ。西海岸に瀬長(せなが)島や数珠(ずず)森、与根(よね)が浮んでいたが、数珠森や与根は海岸平野部に取込まれ、瀬長島も海中道路で地続きとなっている。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「豊見城市」の意味・わかりやすい解説 豊見城〔市〕とみぐすく 沖縄県,沖縄島南西部,那覇市の南に接する市。市名は近世の間切(まぎり。行政区画)名による。1908年に豊見城間切から改称して以来長らく村制が続いたが,日本復帰後の急速な市街地化に伴い人口が急増,1995年の国勢調査で村としては全国 1位となる。2002年から市制。近郊農業で野菜や果物,花卉の栽培が盛ん。サトウキビ栽培,畜産も行なわれる。国場川と饒波川(のはがわ)が那覇,豊見城両市の市街地で合流する地域に広がる漫湖(まんこ)は,シギ,チドリ類や絶滅の危惧されるクロツラヘラサギなど 20科 70種の渡り鳥が集まる国内有数の飛来地で,1999年にラムサール条約に正式登録。旧日本海軍司令部壕,豊見城城址公園などがある。西部を国道331号線,北部を329号線が通る。面積 19.31km2(境界未定)。人口 6万4612(2020)。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報 Sponserd by