貞観格

山川 日本史小辞典 改訂新版 「貞観格」の解説

貞観格
じょうがんきゃく

古代法令集で,「弘仁格」「延喜格」と並ぶ三代格の一つ。藤原良相(よしみ)・藤原氏宗(うじむね)らにより編纂が進められ,869年(貞観11)撰進・施行。「弘仁格」以降の820年(弘仁11)から868年に至る期間の詔勅・官符などから現行法として有効なものを官司別に編集。10巻に臨時格2巻を付加。「弘仁格」の有効性を前提として機能する法令集である。散逸したが,「類聚三代格」などにより大略が知られる。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の貞観格の言及

【貞観格式】より

…格12巻は869年撰進・施行,式20巻は871年撰進・施行。《貞観格》の内容は《弘仁格》の続編として820年(弘仁11)から868年に至る詔,勅,太政官符などを官司別に集大成しており,その編纂方針は12巻中の2巻を臨時格とした点を除けば,《弘仁格》のそれと同じである。一方《貞観式》の編纂方針はだいたい《弘仁式》のそれを受けついでいるが,1点だけ顕著に異なる。…

【類聚三代格】より

…《本朝書籍目録》は30巻と記すが,写本として残存するのは12巻本と20巻本で,いずれも完本はなく,両者を併せても欠失部分がある。内容は,弘仁格,貞観格,延喜格の三代の格(きやく)を類によって聚(あつ)めたもので,三代の格が官司ごとに配列されていたのを,内容により神社事,国分寺事,分置諸国事,調庸事,禁制事,断罪贖銅事など類によって集め,再編成している。三代の格の個々の格は,すべて《類聚三代格》に収録されたと考えられるが,その類聚にあたっては,機械的に配置を変えただけでなく,三代の格が執務の便宜上同一の格を二つの官司の項に収めている場合にはその一方だけを収めており,逆に,一つの格を二つの類に収めた場合もある。…

※「貞観格」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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