貴族院[イギリス](読み)きぞくいん[イギリス](英語表記)House of Lords

翻訳|House of Lords

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「貴族院[イギリス]」の意味・わかりやすい解説

貴族院[イギリス]
きぞくいん[イギリス]
House of Lords

貴族を中心とする議員によって構成される議院。イギリス上院の正式名称。歴史的に議会は貴族の会議に始まり,イギリスの場合,下院(庶民院)が 17世紀に始まるのに対し,13世紀までさかのぼることができる。しかし議会制民主主義(→代表民主主義)の発展に伴う下院優位の原則の確立とともに,公選ではなく世襲の議員によって構成される貴族院は,その影響力を低下させ,事実上形式的な存在となり,1999年世襲貴族の議席の大半を減らす法案が可決された。また 2009年イギリスに最高裁判所が設置され,それまで貴族院の上訴委員会が担っていた最高裁判所の機能が廃止された。今日の貴族院は,カンタベリー大主教,ヨーク大主教,ダラム主教,ロンドン主教,ウィンチェスター主教,そのほか 21教区の主教を含む聖職者議員と,定数 92議席の世襲貴族,および 1958年の終身貴族法による一代貴族からなり,総数は 670以上(2015.7現在 785議席)となっている。議席数に定数はなく,任期は終身。

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