日本大百科全書(ニッポニカ) 「賀蘭山脈」の意味・わかりやすい解説
賀蘭山脈
がらんさんみゃく / ホーランシャン
中国、寧夏(ねいか/ニンシヤ)回族自治区の北西辺、内モンゴル自治区との境界を、ほぼ南北に走る山脈。長さ約150キロメートル、幅約30キロメートル。東は断層崖(がい)をなして銀川(ぎんせん/インチョワン)平野に臨み、西は緩やかな傾斜でテンゲル砂漠に続く。北部は先カンブリア紀、南部はカンブリア紀などの古い地層がみられ、中部は二畳紀の地層や花崗(かこう)岩がみられる。主峰の賀蘭山(アルシャ山ともいう)は標高3556メートル。鉱物資源に恵まれ、北部の石炭井、汝箕溝(じょきこう)には炭田が、中部の蘇峪口(そよくこう)には燐(りん)鉱山がある。この山脈は小さいが、砂漠の中に際だってみえるところから、古くから漢民族と北方異民族の戦役が行われる地となり、また両者の境域を画す線でもあった。
[秋山元秀]