改訂新版 世界大百科事典 「賤者考」の意味・わかりやすい解説 賤者考 (せんじゃこう) 本居内遠(もとおりうちとお)の制度考証書。1冊。1847年(弘化4)成立。江戸時代における被差別身分の由来をおよそ52項目にわたって考証している。その起源を古代の律令制に求める一方,同時代の被差別民の区分をこまかく記し,とりわけ芸能民の資料にくわしい。しかし,その歴史的起源については誤りが多く,また,古代を是とする国学思想の偏見から,結局,差別する立場を取っているのが惜しまれる。執筆者:野口 武彦 出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報