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贋金づくり にせがねづくり

大辞林 第三版の解説

にせがねづくり【贋金づくり】

ジードの長編小説。1926年刊。伝統的なリアリズムの一面的現実解釈を否定し、視点の多元性・流動性を主張する独自の純粋小説理論を具体化した。

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

にせがねづくり【贋金づくり Les faux‐monnayeurs】

フランスのA.ジッドの小説。1926年刊。これ以前の小説的作品には,レシ(物語)かソティ(茶番)の呼称しか与えなかったジッドだが,この一作だけをロマン(小説)と命名したのは,ここに彼独自の小説観を実現しえたという自負があったからだろう。レシやソティは人生図の断片を断片的にしか描きえないのに反して,ロマンは人生図の総体を複合的・重層的に描きうるものでなければならぬと作者は考えていたのである。人間は仮面によって,すなわち〈贋金〉を使って生きているのであるから,視点の限られたレシやソティではその総体を把握することはできない。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内の贋金づくりの言及

【恋愛対位法】より

…音楽の対位法になぞらえて構成され,多様な登場人物と主題のバリエーションが巧みに描かれている。A.ジッドの《贋金(にせがね)づくり》と同じく作中の小説家フィリップに創作過程を語らせている点,またD.H.ロレンス,ボードレール,J.M.マリーなどがモデルになっていることでも知られる。【鈴木 建三】。…

※「贋金づくり」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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