若林(読み)ワカバヤシ

日本歴史地名大系 「若林」の解説

若林
わかばやし

[現在地名]仙台市古城一―三丁目・若林一―五丁目・南小泉一―四丁目など

藩祖政宗がその晩年、仙台城下南東の旧国分氏の旧城跡という地に幕府の許可を得て城構の隠居ともいうべき館を構築した。寛永四年(一六二七)の土井利勝外三名連署奉書(伊達家文書)によれば「心之儘可有普請之旨」仰出されて着工、翌五年に竣工し(「貞山公治家記録引証記」ほか)、若林館とか若林御屋形などと称し、一般には若林城とよばれた。若林城は在郷分(仙台鹿の子)とあるように若林城は小泉こいずみ村に属するが、同城を中心としたかなり広範囲の地域を若林と汎称した。すなわち南は広瀬川を境とし、南東は野を限り、西は土樋つちとい東脇毘沙門堂(荒町の地)通町切(荒町から土樋に下る石垣町をさすものか)、北は三百人さんびやくにん町切とされ(同書)、城下の南東部一帯をも包含していた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

百科事典マイペディア 「若林」の意味・わかりやすい解説

若林[区]【わかばやし】

宮城県仙台市南東部の区。1989年区制。名取川,広瀬川の下流左岸に位置し東は仙台湾に臨む。西部の連坊・荒町などは江戸時代の町割が残る商業・住宅地域。北部,仙台バイパス沿いの卸町(おろしまち)地区は東北地方の流通業務機能が集積し,仙台市中央卸売市場などがある。東部の六郷・七郷は仙台の穀倉地帯であるが,宅地化も進んでいる。南小泉遺跡中の遠見塚(とおみづか)古墳史跡)は古墳時代前方後円墳。50.86km2。13万2306人(2010)。

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