赤【さき】勇（読み）あかさきいさむ

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赤【さき】勇【あかさきいさむ】

応用物理学者。工学博士。名城大学終身教授，名古屋大学特別教授・名誉教授。鹿児島県川辺郡知覧村（現南九州市知覧町）出身。鹿児島県立第二鹿児島中学校（現県立甲南高等学校），旧制第七高等学校を経て，1952年京都大学理学部化学科卒業。神戸工業に入社。1959年名古屋大学工学部助手，1964年同大助教授となるが，同年，名古屋大学を退職し松下電器産業（現パナソニック）東京研究所に入社。同社半導体部長。青色発光ダイオード（青色LED）を作るのに必要な窒化ガリウム（GaN）の結晶製造の研究に従事。1981年松下電器を退社し名古屋大学復帰，工学部教授。当時名古屋大学の院生であった天野浩を指導して1985年に窒化ガリウムの結晶を作製することに成功した。その後，豊田合成株式会社との共同研究で1989年に青色発光ダイオードの製品化への開発研究を行い成功に導く。2014年〈明るく省エネルギーな白色光源を可能にした効率的な青色発光ダイオードの発明〉の業績で，中村修二，天野浩とともにノーベル物理学賞を受賞した。文化功労者（2004年），エジソン賞（2011年），文化勲章（2011年）。
→関連項目ノーベル賞

出典　株式会社平凡社