赤ら(読み)アカラ

デジタル大辞泉 「赤ら」の意味・読み・例文・類語

あか‐ら【赤ら】

[名]
《飲めば顔が赤くなるところから》酒。あか。
「―め」〈浮・二十不孝・五〉
他の語の上に付いて複合語をつくる。
赤みを帯びているさまを表す。「赤ら顔」
㋑《上代語》つやつやと赤みを帯びて、美しいさまを表す。「赤らおとめ」「赤らたちばな」
[形動ナリ]赤みを帯びて美しいさまを表す。
「脣口は―に好きこと頗黎はりの色の如し」〈金光明最勝王経平安初期点〉

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精選版 日本国語大辞典 「赤ら」の意味・読み・例文・類語

あか‐ら【赤ら】

  1. [ 1 ] 〘 造語要素 〙 ( 「ら」は接尾語 )
    1. 赤みを帯びて美しいさまにいう上代語。つやつやと赤みを帯びて照り輝くものを表わす。「赤らたちばな」「赤ら引く」など。
    2. 赤みを帯びているさまにいう語。のような美感は伴わない。「赤ら顔」など。
  2. [ 2 ] 〘 名詞 〙
    1. ( 形動 ) 赤みを帯びて美しいさま。
      1. [初出の実例]「脣口は赤(あカラ)に好きこと頗黎の色の如し」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)一〇)
    2. ( 酒を飲むと顔が赤くなるところから ) 近世、酒の異名。あか。
      1. [初出の実例]「先祖より酒の家に生れ、あから呑(のめ)といはれて此かた」(出典:浮世草子本朝二十不孝(1686)五)

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