精選版 日本国語大辞典 「赤口日」の意味・読み・例文・類語
しゃっこう‐にちシャクコウ‥【赤口日】
- 〘 名詞 〙
- ① 平安中期以後の陰陽道でいう凶日の一つ。太歳(木星)の東門を守るという赤口神の配下に八大鬼があり、一日交替で守護に当たっているが、その中の第四番目の八獄率神は神通力を振るって衆生を惑わすとされるところから、この鬼の当番日を赤口日と称し凶日として忌んだ。しゃっこう。しゃっく。しゃっくにち。
- [初出の実例]「故以二彼主領日一云二赤口日一」(出典:簠簋内伝(14C後頃か)二)
- ② 江戸時代以後の民間暦にいう六曜(先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口)の一つ。仏滅と同じく六日ごとにおとずれる凶日。
赤口日の語誌
( 1 )中世の民間習俗の一つで、暦の「赤口」の日は赤口神のつかさどる日といい、出仕を控えた。「例日」「赤口」「赤舌日」と称される六日周期のものと、「大赤口」とも称された八日周期のものとがあり、いずれも恐ろしい日と信じられていた。
( 2 )兼好が「徒然草‐九一」で「赤舌日」について述べているように、本来の陰陽道にもとづくものではないが、陰陽道の禁忌とする「口舌」などを背景として中世の内乱期に登場、流布していったものか。