大安(読み)タイアン

デジタル大辞泉 「大安」の意味・読み・例文・類語

たい‐あん【大安】

暦注六曜の一。万事によいとされる日。大安日。「大安吉日

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精選版 日本国語大辞典 「大安」の意味・読み・例文・類語

たい‐あん【大安】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「だいあん」とも )
  2. ( 形動 ) きわめて安らかなこと。また、そのさま。〔文明本節用集(室町中)〕 〔漢書‐匈奴伝〕
  3. たいあんにち(大安日)」の略。
    1. [初出の実例]「待人には大安なれば不来と云様に、横吉で安は出と云事はあるまいぞ」(出典:史記抄(1477)一八)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「大安」の意味・わかりやすい解説

大安(三重県)
だいあん

三重県北部、員弁郡(いなべぐん)にあった旧町名(大安町(ちょう))。現在はいなべ市の南部を占める一地域。1959年(昭和34)梅戸井(うめどい)町と三里(みさと)村が合併して成立。1963年石加(いしか)村を編入。2003年(平成15)北勢(ほくせい)町、員弁町、藤原(ふじわら)町と合併、市制施行していなべ市となる。員弁川中流右岸に位置する。大安の地名は古代、奈良の大安寺領であったことに由来する。西は鈴鹿山脈(すずかさんみゃく)で、竜ヶ岳(1100メートル)の山麓(さんろく)から宇賀(うが)川が流れ、その扇状地、段丘、河谷平野は水田地帯となっている。地域の東端を三岐鉄道(さんぎてつどう)三岐線が貫き、四日市(よっかいち)市富田(とみだ)へ通じる。また国道306号、365号、421号も走る。近年、住宅化、工業化が進み、1982年には従業員数5000人を目標とした日本電装(現、デンソー)大安製作所が立地した。そのほか、東山、中尾の各工業団地にも工場が進出している。西部は鈴鹿国定公園の一部で宇賀渓がある。

[伊藤達雄]



大安(陰陽道)
たいあん

陰陽道(おんみょうどう)の六曜日の一つ。この日は旅立ち、移転開店契約など万事に吉日とされ、六曜の最良の日としていまも婚礼などにこの日を選ぶ人が多い。旧暦1月と7月の5・11・17・23・29日、2月8月の4・10・16・22・28日、3月9月の3・9・15・21・27日、4月と10月の2・8・14・20・26日、5月と11月の1・7・13・19・25日、6月と12月の6・12・18・24・みそか。

[井之口章次]

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改訂新版 世界大百科事典 「大安」の意味・わかりやすい解説

大安 (たいあん)

六曜の一つで大吉日。婚姻,移転,建築,旅行,新規事業の開始など,すべてのことに終日吉とされる。万事大吉で,成功しないことはないという。大安吉日に結婚式を行うことは,友引の日に葬式を行わないこととともに,現在最も広く受け入れられた習俗となっている。六曜は,室町時代初期に中国から伝わった暦注で,李淳風の《六壬時課(ろくじんじか)》に由来するとされ,それに基づく小六壬(しようろくじん)にすでに大安の名称がみえている。この当時は時刻の占いであったが,後に日の吉凶の要素が強くなった。六曜は,1685年(貞享2)以後の官許の暦法による貞享暦に記載はなく,それ以前の宣明暦にもない。一般に広まるのは,江戸時代の末期で,明治時代以後,手軽な吉凶見として急速に広まった。とくに大安は,祝事の日どりを決める基準として,広く受け入れられている。
六曜
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大安 (だいあん)

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百科事典マイペディア 「大安」の意味・わかりやすい解説

大安[町]【だいあん】

三重県北部,員弁(いなべ)郡の旧町。鈴鹿山脈の東斜面と員弁川に沿う沖積平野を占める。かつて南都七大寺の一つ大安寺の寺領であった。米作が盛んで,酪農,製茶も行う。近年,企業も進出している。三岐鉄道が通じる。2003年12月員弁郡北勢町,員弁町,藤原町と合併し,いなべ市となる。44.60km2。1万5399人(2003)。

大安【たいあん】

朝鮮民主主義人民共和国,平安南道の大同江下流にある工業都市。電気機械工場があり,大型発電機,変圧器,電車などを生産する。1961年に大安電機工場に対する金日成主席の現地指導により大安システム(新しい型の社会主義工場管理システム)が導入されたことで知られる。
→関連項目平安南道

大安【だいあん】

陰陽道(おんみょうどう)でいう六曜の一つ。吉日で〈万事に進んでよし〉とされ,新規事業の発足式,工事の着工式,結婚式などが行われる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大安」の意味・わかりやすい解説

大安
だいあん

三重県北部,員弁 (いなべ) 川中流右岸,鈴鹿山脈東斜面に広がる地域。旧町名。 1956年石榑 (いしぐれ) 村,丹生川村が合体,石加村設置。 1959年梅戸井町,三里村が合体して大安町設置。 1963年大安町と石加村が合体し町制。 2003年 12月北勢員弁藤原の3町と合併しいなべ市となった。開発は古く,旧町名はかつて奈良の大安寺領であったことに由来。東部は水田と茶園を主とする農業地帯。山麓の丘陵地は工場用地化,宅地化が進んでいる。西部には渓谷美で有名な宇賀渓があり,ハイキングコースとなっている。地域の山岳部は鈴鹿国定公園に属する。員弁川に沿って三岐鉄道が通る。国道 306号線,421号線が石榑で交差する。

大安
たいあん

だいあんともいう。大安日の略。陰陽道で暦の六曜の一つ。吉日で,旅立ち,移転,結婚など万事によしとされる。

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普及版 字通 「大安」の読み・字形・画数・意味

【大安】たいあん

安らか。

字通「大」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の大安の言及

【六曜】より

…暦注の一種で,日の吉凶をみるのに使われる。六曜星の略で,六輝ともいい,先勝(せんしよう∥せんかち),友引(ともびき),先負(せんぶ∥せんまけ),仏滅(ぶつめつ),大安(たいあん),赤口(しやつく∥しやつこう)の6星を,順番どおり旧暦各月の朔日に配当し,正月・7月は先勝,2月・8月は友引,3月・9月は先負,4月・10月は仏滅,5月・11月は大安,6月・12月は赤口として,2日以下は六曜の順序に従って機械的に充当する。起源は,中国唐代の暦算学者,李淳風の《六壬時課(ろくじんじか)》とされ,日本には室町時代初期ごろに伝わり,小六壬(しようろくじん)といわれ,大安,留連(りゆうれん),速喜(そくき),赤口,将吉,空亡(くうぼう)の六つで時刻の占いであった。…

※「大安」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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