赤熱脆性(読み)セキネツゼイセイ(その他表記)red brittleness(shortness)

デジタル大辞泉 「赤熱脆性」の意味・読み・例文・類語

せきねつ‐ぜいせい【赤熱×脆性】

硫黄を多く含む炭素鋼が1000度付近の高温で脆化し、亀裂などが生じる現象高温脆性

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「赤熱脆性」の意味・わかりやすい解説

赤熱脆性
せきねつぜいせい
red brittleness(shortness)

炭素鋼を 950℃付近で加工するとき現れる熱脆性。原因は硫黄Sと酸素 O2介在によるとされる。硫黄は鉄 Feと化合して FeSx ( x=1~2 ) となる。これは融点が低いので凝固のとき最後に結晶粒界 (→多結晶組織 ) に析出するが,高温では早く軟化するので,加工すると粒界から破壊する。 O2 の存在は鉄の酸化物をつくり,硫化鉄と結合してその軟化点を一層下げる。硫黄の害を除くにはマンガン添加が有効で,マンガンは鉄より優先的に硫黄と結合し,その硫化物は融点が高いためとされている。鋼以外にも赤熱脆性を示す材料があり,たとえば銅にアンチモンが 1.0%入ると赤熱脆性を示す。

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