赤石郷(読み)あかいしごう

日本歴史地名大系 「赤石郷」の解説

赤石郷
あかいしごう

淵名ふちな庄に属する中世郷。伊勢崎の古名。享徳五年(一四五六)一月二四日に上杉方の軍勢が「殖木・赤石」に侵攻し、古河公方足利成氏方の赤堀政綱がこれを迎撃している(年月日未詳「赤堀政綱軍忠状写」赤堀文書)。同じ享徳の乱のさなか、成氏方の岩松持国も敵方闕所の赤石郷の領有権を主張し、成氏の安堵を受けている(享徳四年二月日「岩松持国闕所注文写」正木文書)。永禄三年(一五六〇)上杉謙信が越山して相模小田原に南下する途上、翌年二月当地に在陣しているが(二月二五日「北条氏照書状」永野清氏所蔵文書)、この時、謙信を迎え入れたのは国人由良成繁であったと思われ、成繁は謙信越山の報に接するや那波なは城にいた北条方の赤石氏を攻め滅ぼしている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の赤石郷の言及

【伊勢崎[市]】より

…利根川中流部北岸の低地を占め,赤城山麓の南方にあたる。中世は赤石郷と称したが,1566年(永禄9)由良氏がこの地の年貢を伊勢神宮に献じたことから伊勢前(いせさき)と呼ばれ,転じて伊勢崎となったといわれる。近世には酒井氏2万石の城下町で,1・6の市日には日用品や生糸,織物類の取引でにぎわった。…

※「赤石郷」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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