等・均・斉(読み)ひとしい

精選版 日本国語大辞典 「等・均・斉」の意味・読み・例文・類語

ひとし・い【等・均・斉】

〘形口〙 ひとし 〘形シク〙 二つ以上の物事の間に、ある点で同一性のあるさま。
① 多くの事が全体にそろっていて同じであるさま。
(イ) でこぼこがない。平均している。公平である。
源氏(1001‐14頃)末摘花「上下ひとしく書い給へり」
※東大寺本大般涅槃経平安後期点(1050頃)二〇「語声均(ヒトシカラ)ずして、或ときは麁く或ときは細し」
※憲法講話(1967)〈宮沢俊義〉五「ひとしく人間を尊重しようとすれば」
(ロ) いつもと同じである。平常である。
※こんてむつすむん地(1610)三「げんざいのなんぎ、はかなき事をひとしき心をもてうくべき事」
② 形状、性質、状態、程度、数値などを対比して、同じであるさま。非常によく似ている。
書紀(720)神代下(鴨脚本訓)「時に此の神、形貌自づから天稚彦と恰然(ヒトシク)相ひ似れり」
③ 時間的に同じであるさま。「…とひとしく」の形で、「…と同時に」の意に用いる。
讚岐典侍(1108頃)上「暮るるとひとしく参り給ひて」
④ 大勢の行動が同じであるさま。誰も彼も一斉である。
※地蔵十輪経元慶七年点(883)二「咸く共に疇(ヒトシク)(とぶる)ひ」

ひとし【等・均・斉】

〘形シク〙 ⇒ひとしい(等)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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