マフィック(鉄,マグネシウム(苦)に富む)鉱物を約70%以上含む岩石。超苦鉄質岩ともいう。しばしば超塩基性岩と同義語に用いられる。しかし例外もあり,パイロクシナイトや多くのエクロジャイトなどは超マフィックであるが,SiO2が45重量%以上で超塩基性ではない。おもなものは,カンラン岩,パイロクシナイト,コートランダイト,エクロジャイト,キンバーライト,コマチアイトなどで,カンラン岩とパイロクシナイトは,カンラン石と斜方輝石と単斜輝石の量比により,図のように分類されている。カンラン岩が変質してできた蛇紋岩も超マフィック岩に含まれる。超マフィック岩の大部分は貫入岩,あるいはアルカリ玄武岩やキンバーライト中の包有物(捕獲岩)として産する。超マフィック岩のかなり多くのものは,マグマ溜りや貫入岩体の下部でカンラン石や輝石が沈降してできたと考えられる。また,マントル物質と考えられるものもある。特に包有物として産するものの大部分はそうらしい。上部マントルは大部分が超マフィック岩によって構成されていると考えられている。超マフィックのマグマが地表に噴出して生じたコマチアイトはアフリカやカナダなどの大陸地域にまれに産する。
執筆者:久城 育夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…マフィック火成岩→中間組成の火成岩→フェルシック火成岩へと,SiO2やアルカリ(Na2OやK2O)が増加し,酸化鉄やMgOやCaOが増加する。 表1に含まれていない超マフィック岩類ultramafic rocksはマフィック鉱物の量が70体積%以上の岩石である。これらの一部は明らかに火成岩であるが,火成岩か変成岩か明らかでないものもある。…
…この分類は,シリカの量に基づく分類の塩基性(45重量%<SiO2<52重量%),中性(52重量%<SiO2<66重量%),酸性(66重量%<SiO2)に近いが,必ずしも対応しない。シリカの量に基づくこの分類法では,例えばアルカリ岩と非アルカリ岩とで混乱が起こったり,輝石だけからなる超マフィック岩が中性岩になったりするのであまり適当ではない。 火成岩の主要構成鉱物は,マフィック鉱物(MgやFeを主成分として含む鉱物)としてカンラン石,輝石,角セン石,雲母,磁鉄鉱やチタン鉄鉱,またフェルシック鉱物として斜長石,カリ長石,シリカ鉱物(石英,トリデマイト,クリストバライト)などである。…
…岩石をSiO2量により分類した場合,45重量%以下の岩石。多くのものはマフィック(鉄,マグネシウムに富む)鉱物を主体とし,超マフィック岩と同義に用いられることが多い。しかし炭酸塩岩やネフェリナイトnepheliniteのように,SiO2は45%以下でも超マフィックでないものもある。…
※「超マフィック岩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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