翻訳|kimberlite
kimberlite
ダイヤモンドや各種のかんらん岩ノジュールを含む,アルカリ(K2O>Na2O)に富む超苦鉄質の噴出岩。揮発性成分を多く含むマグマの爆発的な噴火によりダイアトリームであるキンバーライトパイプが形成され,岩石はパイプの浅い部分では角礫状となる。初生的成分を示す細粒部と粗粒の捕獲結晶からなる不均質な斑状組織を示す。細粒部はかんらん石(Fo90~Fo85,蛇紋石化)・金雲母・透輝石・カーボネート(主に方解石)・スピネル・ペロブスカイト・モンチチェリかんらん石・イルメナイトなどからなる。粗粒物質はざくろ石かんらん岩,エクロジャイトの捕獲岩のほか,Tiを多く含む金雲母・パイロープ・かんらん石・古銅輝石の巨斑晶など。細粒部に金雲母・方解石・りん灰石を多く含むグループⅡと,そうでないグループⅠに区分される。先カンブリア時代の楯状地の断裂隆起帯に沿って分布。南アフリカ,ケニア,タンザニア,シベリア(サハ)などに知られる。キンバーライト質マグマはNd, Sr, Pbの同位体比の研究や高圧実験などから,グループⅡは大陸下のLIL元素に富むマントルの,グループⅠはアセノスフェアにおけるH2OとCO2の存在下での部分溶融と結晶分化作用によって生じたと考えられるが,まだ未解決の部分も残されている。H.C.Lewis(1887)が南アフリカKimberley産のダイヤモンドの母岩に命名。
執筆者:田崎耕市
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報
揮発成分とカリウムに富む不等粒組織の超塩基性火山岩であって,斑晶は主として地下深部で結晶したカンラン石,そのほか少量の金雲母,輝石,ザクロ石やチタン鉄鉱を含む。石基はカンラン石,輝石,金雲母,スピネル,方解石などから成る。一般に著しい蛇紋石化作用を受けている。ダイヤモンドの唯一の源岩(含有量は1000万分の1以下)であって,安定大陸地域にのみ,まれに小さな貫入岩体として産出する。マグマのうちでは最も深いところ(150~250km)で生成され,上部マントルと地殻を通過する時速は30~60kmと見積もられている。爆発的に上昇する時,地球深部を構成しているカンラン岩やエクロジャイトを取り込んでくることがある。ダイヤモンドを含む斑晶鉱物やこれらの捕獲岩類は,地球内部のことを直接知る手がかりとなっている。
→カンラン岩
執筆者:青木 謙一郎
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…【鈴木 秀夫】
[地史]
アフリカ大陸の大部分は,地史学的には楯状地あるいは剛塊(クラトン)とされる古期岩層分布地域である。これは主として30億~10億年前の先カンブリア時代の岩石からなっており,ダイヤモンドを含むキンバーライトの存在でも特徴づけられるように,地下深所物質が地表に露出している地帯である。古生代から中生代にかけてはこのような楯状地が一体となって南半球寄りにゴンドワナ,北半球側にユーラシア(あるいはローラシア)の各超大陸を構成していたのであるが,白亜紀後期ころからの大陸移動によって,南アメリカや南極大陸とも分かれて現在に至ったことが解析されている。…
…カンラン石が90%以上で,輝石の少ないものをダナイトduniteと呼び,それ以下のものについては,伴われる輝石の量比によって,斜方輝石の多いものをハルツバージャイトharzburgite,単斜輝石の多いものをウェーライトwehrlite,両方とも多いものをレルゾライトlherzoliteと呼ぶ。 産状は,(1)塩基性層状分化岩体の下部層を構成するもの,(2)造山帯ないし構造帯に産出するもの,(3)アルカリ玄武岩やキンバーライト中に団球状に包有されているものの3種類がある。最初の例としては,南アのブッシュフェルトBushveld岩体,アメリカ,モンタナ州のスティルウォーターStillwater岩体,カナダのマスコックスMuskox岩体などが有名で,輝岩,斜長岩,斑レイ岩などと層状構造をなし,しばしばクロム鉄鉱や白金の鉱床がみられる。…
… 一方,通常のマグマからはケイ酸塩鉱物とともに,少量のチタン鉄鉱,磁鉄鉱,クロム鉄鉱などが晶出するが,これらの鉱物はケイ酸塩鉱物と著しく比重が異なるなどの理由により濃集することがあり,チタンやクロムの鉱床となる。ダイヤモンドの鉱床であるキンバーライトは,地下深所の高圧下で安定に晶出した結晶を保持したまま地表付近に運ばれてきた岩石で,正マグマ鉱床の特殊な例である。【島崎 英彦】。…
※「キンバーライト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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