改訂新版 世界大百科事典 「マグマ溜り」の意味・わかりやすい解説
マグマ溜り (マグマだまり)
magma reservoir
マグマが上部マントル(深さ100~200km)で生成されると,周囲より比重が小さくなるため,浮力によって上昇を始める。地殻の密度はマントルより小さいため,マグマが地殻浅部にいたって周囲の密度とほぼ等しくなると上昇が止まり,そこにマグマのよどみの場所ができる。これがマグマ溜りである。マグマ溜りの形はよくわからないが,地震観測や地殻変動などの観測からマグマ溜りの深さを推定すると,多くの火山で地下2~4km程度の深さにある。桜島では錦江湾(カルデラ)の中央部深さ10kmにあり,それからマグマが桜島直下の第2の溜りに供給されていると考えられている。マグマ溜りの中では対流が起こり,重い鉱物成分は下に沈み,軽いものは上方に集まる。
執筆者:下鶴 大輔
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報