超精密測定器(読み)ちょうせいみつそくていき(その他表記)ultraprecision measuring instrument

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「超精密測定器」の意味・わかりやすい解説

超精密測定器
ちょうせいみつそくていき
ultraprecision measuring instrument

長さ,時間,質量の基本3次元について,超精密測定をする装置。長さの高精密測定は,現在,光の繰返し反射干渉縞個数をはかる方法により,電子回路によって積算する。時間 (振動数) については,安定した水晶発振器の振動を逓増して,原子吸収線の振動数に近づけ,発生した電磁波の吸収量のずれをつかまえて,水晶発振器の振動数を制御することで,高精度測定規準をつくる。単発の時間長は,この振動数を直接電子回路で積算して求める (数十 MHz程度まで可能) 。また質量の高精度測定には,てんびん以外に適当な手段がない。したがって限界精度はほぼ一定であり,高感度のものは秤量限度が低い。電子回路によって,高感度てんびんの時定数を小さくすることはできるが,絶対精度に問題が残る。高感度測定分野の到達点は,長さで 10Å ( 10-9m=1nm ) ,時間で 10-9 秒,質量は 10-11g 程度である。これらの測定技術は,時報ゲージ校正,超微量分析などの方面で利用されている。ただし長さの分解限度でいえば,特によく設計された透過型あるいは表面放射型 (ミュラー型) の電子顕微鏡では 1~5Å まで分解できるが,これは計器とはいえない。

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