日本歴史地名大系 「越の下草」の解説
越の下草
こしのしたくさ
三巻 宮永正運編
成立 天明六年
原本 内閣文庫
解説 越中の旧跡・名所・山川について記す。宮永正好の凡例は旧記・俚諺・産物まで見聞くのままに遺せるものならんとしている。巻一・巻二は礪波郡、巻三は射水郡の事物を記す。拠る所は寛文以降、藩が十村に書上げさせていた神社・仏閣・古城・名所・旧跡・村名などの調査の控とみられる。なお東京大学史料編纂所には、内閣文庫本の原本とみられる六巻本(一巻欠、五巻現存)がある。これを稿本と称し、内閣文庫本は流布本と称されることになった。活字本は流布本が昭和二六年に富山県郷土史会叢書第二として、稿本・流布本を合冊したものが、昭和五五年に富山県郷土史会(北国新聞社刊)から発行されている。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報