越河村(読み)こすごうむら

日本歴史地名大系 「越河村」の解説

越河村
こすごうむら

[現在地名]白石市越河

南は石大仏いしのだいぶつ伊達だて貝田かいだ(現福島県伊達郡国見町)、北はうし山で五賀ごか村、東は伊達郡五十沢いさざわ(現伊達郡梁川町)、西は西にし山の分水嶺小原おばら村と接する。東西の丘陵地の間に南から北に沖積地が延び、その西側を奥州街道、東側をさい川の上流松沢まつざわ川が北流する。伊達郡方面から北上すると郡境に厚樫あつかし山の天険を控え、古来より東北地方への入口的要地であった。「こすかい」ともよばれ小菅生こすごう越川とも記された。

天文七年(一五三八)三月四日付の伊達稙宗安堵状案(伊達家文書)に「かつ田しやうこすかいのかうの内、いやしき手つくりの田九百文地」などを宿老中野左近将監に安堵している。この年の段銭古帳にも「十七貫三百五十文 こすかう」とある。伊達氏天文の乱後は功績抜群の中野常陸介(宗時)が当地に知行を得ている。晴宗公采地下賜録によると、「苅田こすかふの内、一おさか、一ひこ四郎内」などは庄司乳母との共有で、かつ「こすかふ」はほかの四郷とともに棟役・段銭・諸公事が免除された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の越河村の言及

【白石[市]】より

…宮城県南端の市。1954年白石町と越河(こすごう),斉川,大平,大鷹沢,白川,福岡の6村が合体,市制。57年小原村を編入。人口4万1852(1995)。阿武隈川の支流白石川の流域にあり,白石盆地の南半を占める。中世に白石氏が拠った地で,近世には仙台藩領の南の要所を占め,重臣片倉氏が白石城に居城し,城下町が形成された。仙台・松前道の宿駅でもあり,2・7日の六斎市が立ち,片倉氏が奨励した和紙などが取引された。…

※「越河村」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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