越鳥は南枝に巣くう(読み)えっちょうはなんしにすくう

故事成語を知る辞典 「越鳥は南枝に巣くう」の解説

越鳥は南枝に巣くう

望郷の念にかられることのたとえ。

[使用例] 越鳥は南枝に巣くうということだが、いい知らぬ人情が、本能的に人を故郷の方へ向けてしまうと見える[中里介山大菩薩峠|1913~41]

[由来] 「文選」に収録された、一世紀ごろに作られたと思われる作者不詳の「古詩十九首」の詩句。故郷を遠く離れてしまった恋人を思う気持ちを、「越鳥は南枝に巣くう(中国南部の越の国で生まれた鳥は、北の国にやって来ても、故郷をなつかしんで南向きの枝に巣を作る)」とうたっています。

[解説] 同じ詩の直前の句からは、「胡馬は北風に依るという故事成語が生まれています。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android