足踏(読み)あしぶみ

精選版 日本国語大辞典 「足踏」の意味・読み・例文・類語

あし‐ぶみ【足踏】

〘名〙 (「あしふみ」とも)
① 足で地を踏むこと。足どり。
日葡辞書(1603‐04)「Axibumi(アシブミ)
舞楽能楽で足拍子や足の運び方をふくめて、足を上げ下げする動作。
※枕(10C終)一四二「あしふみを拍子にあはせて〈略〉などうたひて舞ひたるは」
蹴鞠(けまり)で、蹴る前に、左右の足でかわるがわる地を踏むこと。通常、右、左、の順で踏み、次の右足で蹴るというが、家の説によって異なる。
※成通卿口伝日記(1136頃)「一、足ぶみのべ足の事。よの人みな左をさきにたつ」
④ 弓を射る儀式のときの足を踏む動作。〔大的躰拝記(15C中か)〕
⑤ 場所を動かずに、歩く時のように両足をかわるがわる上下すること。また、その動作。
坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉一〇「三十人が一度に足踏をして横を向く時がある」
⑥ (⑤から転じて) 事がうまく運ばないで、停止していること。停滞
※写生紀行(1922)〈寺田寅彦〉「世界中の他の国が昔の儘に『足踏』をして、日本の追付くのを待って居てくれたら」
⑦ ある場所や家などに足を踏み入れること。訪問。でいり。
※中華若木詩抄(1520頃)中「隠者人間へは足ぶみをせず」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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