跳び虫(読み)とびむし

精選版 日本国語大辞典 「跳び虫」の意味・読み・例文・類語

とび‐むし【跳虫・飛虫】

  1. 〘 名詞 〙
  2. トビムシ(粘管)目に属する微小な昆虫の総称。体は円筒形、球形などで体長数ミリメートル。はねはなく、最も下等な昆虫に属する。第一腹節の管から粘液を出して他物に付着するほか、多くは第四腹節に叉状(さじょう)突起をもち、跳躍に用いる。落葉の下に多く、雨上りの水たまりに群をなすものや池沼の水面をはねる種もある。体色は白・褐色・紫・赤など。一般に腐敗した植物質や菌類を食べるが、ムギの芽を食べるトビムシモドキなど農作物害虫もいる。日本には約三四〇種が分布する。のみむし。〔日葡辞書(1603‐04)〕
  3. 甲殻類端脚目ヨコエビ亜目に属する一群の節足動物の俗称。体長は普通一センチメートル内外。体は側扁して細長く、多くの節からなり、形はエビにやや似ている。海辺の藻屑の下や湿った落葉の中などにすむ。淡紅色または灰黒色の地に褐色の模様のあるヒメハマトビムシが最も普通にみられる。
  4. 雑兵をののしっていう語。
    1. [初出の実例]「命知らずの飛虫(トビムシ)めら、腕にも合ぬ刃物ざんまい」(出典浄瑠璃・後三年奥州軍記(1729)四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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