蹙まる(読み)シジマル

デジタル大辞泉 「蹙まる」の意味・読み・例文・類語

しじま・る【×蹙まる/縮まる】

[動ラ五(四)]ちぢんで小さくなる。ちぢまる。
「重なる水の―・って行く」〈漱石虞美人草
「鼻いと小さくしぼみ―・りて」〈今昔・二八・二〇〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「蹙まる」の意味・読み・例文・類語

しじま・る【蹙・縮】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙
  2. 伸びていたものが縮んで小さくなる。縮まる。かがまる。
    1. [初出の実例]「五穀焦け巻(シシマリ)ぬ」(出典:石山寺本金剛般若経集験記平安初期点(850頃))
    2. 「暮山に宿無して、木の下岩の陰にしじまりふす」(出典:太平記(14C後)一七)
    3. 「重なる水の蹙(シジマ)って行く、頭の上には、山城屏風と囲ふ春の山が聳えて居る」(出典:虞美人草(1907)〈夏目漱石〉五)
  3. 気持がひきしまる。
    1. [初出の実例]「切蹙とは心ししまりせわしき心ぞ」(出典:古文真宝笑雲抄(1525)一)

しじかま・る【蹙】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙しじかがまる(蹙)
    1. [初出の実例]「山伏はうち刀を抜きて向ふ。此の時蛇(くちなは)え寄らで、しじまりたりけり」(出典:古今著聞集(1254)二〇)

しじかがま・る【蹙】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 ちぢみかがまる。ちぢかむ。しじかまる。
    1. [初出の実例]「この法師恐れをののきたるけしきにて、しじかがまりて、進まず」(出典:元祿版古今著聞集(1254)一七)

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