交通広告の一つで、電車やバスをはじめとする交通機関の車内に表示される広告。車両広告ともいう。広告が掲示される位置により呼称があり、代表的なものとして、中吊(なかづ)り(通路上部のホルダーから吊り下げる)、窓上(車両側面の網棚上部に掲出する)、ドア横(額縁型で戸袋に掲出する)、ドア上(ドアの上に掲出する)、ステッカー(ドアやドア横上部および壁面に貼(は)る)、吊革広告(小型で吊革部分に掲出する)がある。バスの場合は、中吊りと窓上を利用して掲出する広告が主である。なかでも、電車の中吊り広告は、週刊誌や月刊誌の発売告知、新製品のキャンペーンなどに欠かせない広告として、交通広告を代表するものとされてきた。日本で最初の中吊り広告は、1885年(明治18)に馬に曳(ひ)かせた馬車鉄道における車内広告であった。車内広告の第1号は、1878年に掲出された乗り物の酔い止めの広告である。
近年は液晶画面を使って映像や文字情報を表示する電子看板(デジタルサイネージ)が、ドア上や窓上に設置されるようになった。加えて、ホームや駅構内、停留所などに設けられた大型ビジョンを用い、車内と駅構内などで連動した動画広告を表示できるようになった。これに伴い、車内広告の同義語として、車両メディアということばが使われるようになってきた。
車内広告は、交通機関の利用者を対象とするため、他の広告手段とは異なる特徴をもつ。反復性や連続性のある訴求効果、駅と購買拠点が接続しているリーセンシー効果、強制的な視認効果などに優れているとして定着している。
[編集部 2016年5月19日]
…1826年の宝くじ売出しの広告馬車や30年にニューヨークを駆け回ったゴスリング靴墨の馬車はとくに有名。日本でも1885年に東京の鉄道馬車会社が車内広告を開始している。現代では交通機関の発達に伴って,電車,汽車,バス,タクシーのほかに船着場や空港ロビー内の看板,船舶や航空機の内部の広告などにまで及んでいる。…
※「車内広告」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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