交通機関(読み)こうつうきかん

精選版 日本国語大辞典 「交通機関」の意味・読み・例文・類語

こうつう‐きかん カウツウキクヮン【交通機関】

〘名〙 運輸機関通信機関総称。一般には、道路、鉄道などの施設と、車両、船舶、航空機などの運輸機関をさしていう。
風俗画報‐一六八号(1898)漫録「交通機関の停止
社会百面相(1902)〈内田魯庵鉄道国有「鉄道の国家の交通機関として欠くべからざる事」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「交通機関」の意味・読み・例文・類語

こうつう‐きかん〔カウツウキクワン〕【交通機関】

運輸・通信に関する機関の総称。鉄道・航空機・船舶・自動車および道路・橋梁などと、電信電話・郵便などの施設。多く、運輸施設をいう。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「交通機関」の意味・わかりやすい解説

交通機関 (こうつうきかん)

人の移動,物の輸送,情報の伝達のために利用される手段,設備などの総称。人が歩いたり,荷をかついだり,のろしを上げたりすることもその手段の一つであり,車を使い,舟を走らせたりもする。しかし技術の発達や経済,社会の進展とともに,交通手段も飛躍的に便利な設備が利用できるようになった。そのための設備は,通路,運搬具,動力などの要素が,交通という目的のために一つのシステムとして機能するところに特徴がある。

 交通機関は,固定設備と移動可能設備とに分けられる。固定設備とは道路,線路(レールケーブル),航路,航空路,管路(パイプライン)などの通路である。通路の端末は,道路ではインターチェンジ,鉄道では駅,航路では港湾,航空路では空港,通信では発信受信施設など,特別の設備を必要とする。また鉄道と道路,鉄道・道路と航路・航空路のように,それぞれの通路の接点部分は,乗り継ぎを便利にすることが必要とされる。そのため設備間のつなぎをよくするだけでなく,切符の取扱いや運賃の調整など,利用上のくふうも行われている。交通機関の固定設備は,共同で利用される社会資本の基礎施設という意味でインフラストラクチャー(下部構造)と呼ばれている。一方,移動可能設備とは,車両,船舶,航空機などのことで,運搬具と呼ばれる。これを動かす動力は人力,畜力に始まり,風力,蒸気機関,内燃機関,電動機,タービンエンジン,ジェットエンジンに至る技術進歩に負うところが大きい。交通機関の中で,鉄道は固定設備と移動可能設備を一括して管理するので,通路を専用することが可能である。このため,新幹線のような長大列車を短い間隔で次々と走らせることができる。道路を走る自動車,航路を走る船舶,空路を飛ぶ航空機は,自由な通路を選択できる反面,通路の容量を超えると混雑現象が発生し,渋滞遅延という不便さが避けられない。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

潮力発電

潮の干満の差の大きい所で、満潮時に蓄えた海水を干潮時に放流し、水力発電と同じ原理でタービンを回す発電方式。潮汐ちょうせき発電。...

潮力発電の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android