車前草社(読み)しゃぜんそうしゃ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「車前草社」の意味・わかりやすい解説

車前草社
しゃぜんそうしゃ

短歌結社。1905年(明治38)8月、尾上柴舟(おのえさいしゅう)を中心として、柴舟門下の正富汪洋(まさとみおうよう)、前田夕暮(ゆうぐれ)、若山牧水(ぼくすい)により結成され、のちに三木露風(ろふう)、有本芳水(ありもとほうすい)を加えた。機関誌はなく、雑誌『新声』に05年9月号から約2年間「車前草社詩稿」(または詩草)が発表された。牧水と夕暮歌壇に登場させた意義がある。なお柴舟は11年9月、岩谷莫哀(いわやばくあい)、金沢種美(たねとみ)らと改めて『車前草』を創刊、13年(大正2)8月までに12冊を出したが車前草社とは関係がない。

前田 透]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の車前草社の言及

【尾上柴舟】より

…1902年金子薫園と結んで叙景詩運動をおこし,《明星》と対立した。05年車前草社(しやぜんそうしや)を結成,ここから若山牧水,前田夕暮らが育った。歌集《銀鈴》(1904),《静夜》(1907)をへて《永日》(1909)で自然主義的傾向を見せ,《日記の端より》(1913)で〈つけ捨てし野火の烟のあかあかと見えゆく頃ぞ山は悲しき〉など温雅な古典的作風を完成。…

※「車前草社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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