精選版 日本国語大辞典「柴舟」の解説
しば‐ぶね【柴舟】
〘名〙 (「しばふね」とも)
※堀河百首(1105‐06頃)雑「もとめつるおまへにかかる柴舟のきたげになれやよるかたもなき〈源俊頼〉」
② 江戸時代、松葉、青柴などを、瓦を焼く薪用に運送した小廻しの廻船。大坂には紀州、阿波、土佐、日向などからくるものが多かった。〔和漢船用集(1766)〕
③ 舟、または雨どいの形に焼いた生姜(しょうが)煎餠。金沢の名物。
④ 香木の名。分類は新伽羅(きゃら)。細川家の白菊の分木を得た伊達政宗が、「世の業(わざ)のうきを身につむ柴舟や、たかぬ先よりこがるらん」(謡曲・兼平)を証歌として名付けた。一木三銘香の一名。
※俳諧・物種集(1678)「日あいてちかふ初音柴舟 虫ほしや是は源氏のまきの嶋〈利方〉」
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