軋ろふ(読み)キシロウ

デジタル大辞泉 「軋ろふ」の意味・読み・例文・類語

きしろ・う〔きしろふ〕【×軋ろふ】

[動ハ四]《動詞「きしる」の未然形上代反復・継続の助動詞」の付いた「きしらふ」の音変化》争う。せりあう。
「人と―・ひそねむ心つかひ給ふな」〈・若菜下〉

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精選版 日本国語大辞典 「軋ろふ」の意味・読み・例文・類語

きしろ・うきしろふ【軋】

  1. 〘 自動詞 ハ行四段活用 〙
  2. 勢いや力をぶつけ合うように争う。競争する。
    1. [初出の実例]「人にきしろひていたづらにならんと思給へず」(出典:宇津保物語(970‐999頃)国譲下)
    2. 「御むすめに、きしろふさまにてさぶらひ給ふを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)絵合)
  3. ぶつかり合うように、こみ合う。ひしめく。また、障害物にぶつかって進行が妨げられる。〔名語記(1275)〕
    1. [初出の実例]「手ざをとは 舟のきしろふ時両方よりさをさしはる也」(出典:言塵集(1406)四)

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