軍学校(読み)ぐんがっこう(英語表記)military school; military academy

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「軍学校」の意味・わかりやすい解説

軍学校
ぐんがっこう
military school; military academy

軍によって軍人を養成,訓練する目的で運営される学校。養成,補充を目的にするものと,幹部の技能向上を目的とするものの2種に大別される。前者士官学校後者大学校によって代表される。前者には旧ソ連のスウォーロフ陸軍士官学校,ナヒーモフ海軍士官学校のように小学校3~4年生の少年から7年間教育するものや,アメリカ,イギリス,フランス,イタリア,日本 (防衛大学校) をはじめとする諸国のように,17~21歳を入学資格者として2~4年の在学期間で,卒業すると少尉に任官する士官学校がある。後者としてはアメリカを例にとれば,陸,海,空それぞれ日本の旧陸軍大学校,旧海軍大学校 (自衛隊では幹部学校) に相当する学校 war college,統合幕僚学校 Armed Forces Staff College (日本では防衛研究所にあたる) ,国防産業大学 Industrial College of Armed Forcesなどがある。また各兵科将校,下士官に,それぞれ専門分野の戦術的・技術的能力を向上させる目的で設けられた多くの学校,たとえば戦車学校,通信学校,魚雷学校などもある。特殊な軍学校としては集団安全保障機構でつくっている北大西洋条約機構 NATO軍の高級幕僚を訓練するための NATO国防大学がある。珍しいものとしてドイツの「指導と道徳理念」 Innere Führung学校があげられる。ここでは,将官から下士官までが,旧軍がナチス時代に犯したあやまちを繰返さぬように一定期間学ぶことになっている。

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