責任内閣制(読み)セキニンナイカクセイ

百科事典マイペディア 「責任内閣制」の意味・わかりやすい解説

責任内閣制【せきにんないかくせい】

議院内閣制もとで,内閣が議会,とりわけ下院日本では衆議院)の信任の有無進退の条件とし,常に全大臣が連帯して責任を負う制度。内閣が議会から独立している大統領制超然内閣とは異なる。
→関連項目内閣(日本)内閣(中国)

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「責任内閣制」の解説

責任内閣制
せきにんないかくせい
parliamentary cabinet system

議会,特に下院で多数を占める政党党首が内閣を組織し,国民に対する政治上の責任を議会を通じて行う制度。議院内閣制ともいう
18世紀のイギリスにおいて,英語を理解しないジョージ1世に代わって,1721年ウォルポールの組閣した内閣が閣議を主催して政治を主導したのに始まる。1742年ウォルポール内閣の総辞職以後,イギリス議会政治の慣習となる。19世紀以後,多くの国の政治制度に取り入れられた。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

山川 世界史小辞典 改訂新版 「責任内閣制」の解説

責任内閣制(せきにんないかくせい)

議院内閣制をとる国において,内閣が連帯して議会,特に民意を代表する下院に対して責任を負う政治体制。イギリスの場合,18世紀の「最初総理大臣ウォルポールにその端緒を認めるのが通説であるが,王権との関係,政党の整備からみて,責任内閣制の制度的な確立は19世紀中葉以降を待たねばならなかった。

出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の責任内閣制の言及

【議院内閣制】より

…そのような個々の大臣についての弾劾手続から出発して,しだいに,弾劾を避けるために議会の支持を失った大臣はみずから辞職するようになった。同時に,大臣たちが共通の政策を基礎として行動するところから,議会に対する内閣としての連帯的政治責任という原則(責任内閣制)ができあがってくるのである。その際,君主の手になんらかの実質権能がのこっている段階では,君主と民選議院の二元的な対抗状況を前提とし,内閣はその両者に責任を負う。…

※「責任内閣制」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android