一名(読み)イチメイ

デジタル大辞泉 「一名」の意味・読み・例文・類語

いち‐めい【一名】

ひとり。「欠席一名
本名ほんみょう以外の名。別名べつめい異名いみょういちみょう。「利根川一名坂東太郎と呼ばれる」
[類語](1一人ひとり一人いちにん一介一個/(2別名別称異称異名俗称変名仮名偽名仮称偽称略称旧称旧名古称又の名

いち‐な【一名/市名/都名】

琵琶法師などがつけた名。名前最後に一・市・都などの字がつく。特に、鎌倉末期の如一にょいちを祖とする平曲流派は一名をつけるので、一方いちかた流と呼ばれた。のち、広く一般の盲人も用いた。

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精選版 日本国語大辞典 「一名」の意味・読み・例文・類語

いち‐めい【一名】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ひとり。〔福恵全書‐蒞任部・堂規式〕
  3. 一つの名前。一つの名称
    1. [初出の実例]「漢家の字書にも多用にして、彼いふ一名二意にも限らず」(出典:俳諧・古学截断字論(1834)上)
  4. 本名ほかの名。又の名。別名。異名。
    1. [初出の実例]「殊事百大夫。道祖神之一名也」(出典遊女記(1087‐94))
    2. 「千把こき、一名後家タオシの発明は」(出典:秘事法門(1964)〈杉浦明平〉四)
    3. [その他の文献]〔晉書‐李密伝〕

いち‐な【一名・市名・城名・都名】

  1. 〘 名詞 〙 琵琶法師の付ける名字。城一検校(けんぎょう)後宇多天皇から城の字を賜わったのが最初で、その門弟が八坂方一方(いちかた)とに分かれ、八坂方では、城の字を上に付け、一方では下に付けたが、後に城の字を都の字に代え、更に市の字、一の字を用いて「いち」とよむようになった。のちに座頭に用いられ、何市と下に市の字を付ける習慣を生じた。
    1. [初出の実例]「市名も取らぬ分際で四分(しぶん)の者に突きあたり」(出典:歌舞伎蔦紅葉宇都谷峠(文彌殺し)(1856)二幕)

いち‐みょう‥ミャウ【一名】

  1. 〘 名詞 〙
  2. いちめい(一名)日葡辞書(1603‐04)〕
  3. いちめい(一名)
    1. [初出の実例]「桂枝(けいし)〈略〉一名(メウ)桂枝嶋とも号(なづく)るとぞ」(出典:西洋道中膝栗毛(1870‐76)〈仮名垣魯文〉五)

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