転部/転科(読み)てんぶ/てんか

大学事典 「転部/転科」の解説

転部/転科
てんぶ/てんか

大学在学中に,在籍する学部学科を途中で変更すること。日本の多くの大学は,学部学科ごとに入学試験を行うので,入学後当該分野の学習が学生の期待とは異なることがわかった場合や,入学後進路を変更したい場合,再び入試を受けて再入学するしか方法はない。これを救う仕組みが転部・転科である。大学設置基準では30条に転部に際しての単位認定に関する記述がみられる。日本では学部学科の定員が決まっているため,総合大学の内部でも転部・転科は容易ではない。入試の競争が激しい学部・学科では,公平性の観点から認められないことが多い。また,理系では学修を継続する上で必要な基礎科目の修得前提である場合が多く,この点でも転部は難しい。大学によっては教養課程修了後に転部を認める場合もあるが,極めて少数である。この点では,同じ学科の他大学から編入学する方が容易である。また東京大学や北海道大学のように,入学時に理系・文系程度にだけ分ける「おおくくり入試」も,転部・転科希望を防ぐ制度である。
著者: 細川敏幸

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報