辰松風(読み)タツマツフウ

デジタル大辞泉 「辰松風」の意味・読み・例文・類語

たつまつ‐ふう【×辰松風】

《江戸中期、辰松八郎兵衛が結い始めたところから》男子結髪の一。元結まげの根を高く巻き上げ、毛先を極端に下向きにしたもの。これにならって島田髷の根を高く結った髪形を辰松島田といった。

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精選版 日本国語大辞典 「辰松風」の意味・読み・例文・類語

たつまつ‐ふう【辰松風】

  1. 〘 名詞 〙 江戸中期に流行した男の髪型一つ。髷(まげ)を高く結い上げて、元結(もとゆい)を幾重にも巻きつけたもの。江戸日本橋葺屋町の市村座の筋向かいにあった操人形辰松座の座元辰松八郎兵衛が結って一般に行なわれるようになったところからいう。
    1. 辰松風〈我衣〉
      辰松風〈我衣〉
    2. [初出の実例]「辰松風はいやし。はけながきはつらし」(出典:随筆・独寝(1724頃)上)

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世界大百科事典(旧版)内の辰松風の言及

【髪形】より

…髻を二つに折るいわゆる〈二つ折れ〉の形式には,おもな髻に茶筅(ちやせん)髻,銀杏(いちよう)髻,本多(ほんだ)髻などの系統が生まれ,女性の髪形の場合と同様に,武士,町人の区別はもとより,職業によっても各人の髪形に変化がみられた。江戸中期以後は,これらの髻形を基本として,辰松(たつまつ)風,文金風,本多風という三つの流れをもつ髻形へと移行した。辰松風とは,享保年間(1716‐36)辰松八郎兵衛という人形遣いの名人の結った髻で,髻の刷毛先が短く,先端が急こう配に折れ曲がっていて,根を高く巻きあげその芯に針をさして固定したともいう。…

※「辰松風」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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