辰馬吉左衛門(読み)タツウマ キチザエモン

20世紀日本人名事典 「辰馬吉左衛門」の解説

辰馬 吉左衛門(13代目)
タツウマ キチザエモン

明治〜昭和期の実業家,酒造家 辰馬本家酒造相談役;辰馬海上火災保険社長。



生年
慶応4年5月5日(1868年)

没年
昭和18(1943)年10月10日

出生地
摂津国西宮(兵庫県)

旧姓(旧名)
辰馬 篤市

経歴
白鷹」酒造元・北辰馬家の長男に生まれるが、明治16年「白鹿」酒造元である辰馬本家の養子となり、30年家督相続、13代吉左衛門を襲名。大正5年辰馬汽船、6年辰馬本家酒造、8年夙川土地の各株式会社を設立して相談役となる。また8年には辰馬海上火災保険(現・興亜火災海上保険)を設立して社長となり、関西で指折の実業家となった。同年財団法人・辰馬学院を設立、甲陽中学校、甲陽高等商業学校を設立した。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

朝日日本歴史人物事典 「辰馬吉左衛門」の解説

辰馬吉左衛門(13代)

没年:昭和18.10.10(1943)
生年:明治1.5.5(1868.6.24)
明治から昭和期の酒造業者。西宮(兵庫県)の醸造元「白鹿」の辰馬本家13代。辰馬家は近世初頭より辰屋の屋号で江戸積酒造業を営む。近世中期,近隣の灘目酒造業の在方酒造業台頭により一時停滞するが,文化・文政期に俄然頭角を現し,西宮発展の中心となる。 13代吉左衛門は辰馬分家の北辰馬家の悦蔵の長男。明治16(1883)年16歳で辰馬本家の養子となる。30年養母たき(12代当主)のあとをうけて家督を相続,酒造経営の近代化と合理化に努めた。38年には辰馬本家汽船部を設立,それが辰馬汽船合資会社に発展し,第1次世界大戦を契機に好景気を迎えた。大正6(1917)年に甲陽中学校を引き継いで同8年財団法人辰馬学院を設立,今日におよんでいる。

(柚木学)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「辰馬吉左衛門」の解説

辰馬吉左衛門 たつうま-きちざえもん

1868-1943 明治-昭和時代前期の実業家。
慶応4年5月5日生まれ。北辰馬家から清酒「白鹿」の醸造元辰馬本家の養子にはいり,明治30年13代当主となり吉左衛門を襲名。辰馬汽船,辰馬海上火災保険などを設立。また辰馬学院を創立した。昭和18年10月10日死去。76歳。摂津西宮(兵庫県)出身初名は篤市。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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